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ハラール
ハラールとはアラビア語で(HALAL)حَلاَل と表記され、イスラームの教えに基づく法体系であるイスラム法(シャリーア)において「合法なもの」または「許されたもの」を意味します。『ハラル』と表記される場合もありますが、ここではアラビア語の発音に忠実に『ハラール』と表記します。よく聞かれる「ハラールミート」や「ハラール食品」というのは、ムスリムにとって口にする事が許された肉や食品という意味です。
逆に「非合法なもの」「禁じられたもの」はハラーム(HARAM)またはノンハラールと言われ、豚肉やアルコールがそれに該当することはよく知られています。食べ物に関してだけではなく偶像崇拝や賭け事、利子を得ることや同性愛などもイスラム法ではハラームとされています。
ハラール認証
東南アジア各国の代表的なハラール認証マーク
マレーシア(JAKIM)
インドネシア(MUI)
シンガポール(MUIS)
タイ(CICOT)
イスラム教徒が自分が口にするものにハラール性を求めるのは、単なる好き嫌いとは全く異なります。アラーにより禁じられたものを口にすることは、神を裏切ることであり、神より与えられた身体を汚してしまうと彼らは考えるのです。そのためムスリムが食品や化粧品、薬品等を購入する際にその商品が本当にハラールであるかということは非常に重要です。
近年世界の市場がグローバル化し、より多くの人・物が国家や文化圏の枠を越えて流動することで、ハラール性の確認作業は重要性を増してきました。
世界ハラール審議会(World Halal Council=WHC)によるとハラール認証は米国で1960年代に導入されました。
またイスラム教を国教として多民族・多宗教が混在するマレーシアや、ムスリムの人口比率が8割以上のインドネシアでも同様に1970代よりこの制度が広まりました。
両国に共通することは、イスラム圏の東端に位置し非ムスリムとの共存があり、多様な貿易品の流通や経済成長に伴う外国資本の参入が顕著であるということであり、時代の変化と共にハラール性を維持することの必要性が増し、世界水準と比較しても厳格で代表的と言われるハラール認証システムが確立されてきました。
この認証制度があることによって多くのムスリム消費者は安心して食事や買い物をすることが出来るのです。
*認証マークのないものを絶対に選ばないということではありません。メニューや製品の内容に関する情報が正しく開示されていれば各ムスリムが判断することが可能です。
現在多くの国にハラール認証団体が存在しますが、世界の統一規格がないのが現状です。その中でも早くより認証制度を取り入れてきたマレーシアには政府による認証機関・マレーシアイスラム開発局(JAKIM)があり、その厳格なハラール性の規格は世界中のムスリムから信頼されています。
日本国内にもマレーシア(JAKIM)やインドネシア(インドネシア・ウラマー評議会=MUI)といった海外の認証機関よりハラール証明を発行する団体として認められた組織がいくつかあり(JETRO・日本貿易振興機構ホームページ参照)巨大なイスラム市場へ日本製の商品を売り込もうという多くの企業に注目されています。
クルアーンによるとハラールであるかどうかを決めるのは神アッラーのみが保有する権利であるとされています。またハラームなものをハラールであると偽ることは大きな罪となります。知らなかった、間違えたでは済まない事になるかもしれませんので、正確に理解し適切に対応していく必要があります。
キューピー マレーシア http://www.kewpie.com.my/
パッケージ右下にJAKIMのハラール認証マークがある。義務ではないがこれによってムスリムの消費者は安心して商品を選ぶことが出来る。天使の羽が偶像崇拝を連想させるとして、羽の無いロゴに変更されたのは有名な話。